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ファラ |
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ちょっ――!!何よその言い方は!!いくらサビスさんでも、許さないわよ?! |
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ジム |
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リルは黙ってろ!俺は今、ギルバートさんと話してるんだ! |
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セルシウス |
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仲介人曰く『今はギルバートさんと交渉中です。口を挟まないで下さい』 |
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ファラ |
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……リルさんを雇うも、断るも。僕の意向一つ、と言う事ですか? |
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ジム |
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ああ、その通りだ。断ってもらっても問題は無い。俺に任せてもらえれば、値段に見合った五人組群隊を宛がうくらい時間は掛からないさ。報酬金を五人分割となると、半人前段階が主の群隊になるだろうケド――三人寄れば文殊の知恵、リル一人分の代任くらい賄えるはずさ |
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セルシウス |
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仲介人曰く『ギルバートさんの報酬では、五人組群隊として雇えるのは半人前段階程度の冒険者くらいでしょう。ですが、リルちゃん程の一流所なら、一人で五人分の働きくらいできます』 |
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ファラ |
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僕としては、リルさんで構いません。依頼さえ果たしてくれるのならば、別に誰が宛がわれても構いませんし、寧ろ大所帯な群隊に振り回されるよりも、こちらとしても扱い易そうですしね |
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ジム |
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ギルバートさん、アンタ、本当に良いのか?本当の本当に、後悔しないのか?! |
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セルシウス |
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仲介人曰く『リルちゃんに依頼を回してもらえるんですね?』 |
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ファラ |
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はい。問題ありません。 |
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ジム |
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さっきまでの話を聞いてリルに同情してしまったからとか、これ以上俺達二人の口論に付き合ってられないとか、そんな気持ちで『仕方無く』O.Kしたりしてねぇか?! |
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セルシウス |
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仲介人曰く『リルちゃんに同情してとか、二人の口論に飽き飽きしてでは無く、正式に依頼したと判断して良いですか?』 |
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ファラ |
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大丈夫ですよ。誰でも良い、って言うのも勿論本音ですけど、サビスさんが太鼓判を押したリルさんを正式に評価した上での判断です――まぁ、貴男に聞いただけなので、評価と言うのも烏滸がましいですが |
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ジム |
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出てけ……。出てけ――!不愉快だ!出てけ!二人とも出てけ〜〜〜!!ンで勝手に二人で契約でも何でも交わしゃ良いだろうが!! |
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セルシウス |
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仲介人曰く『それでは、後は当事者二人にお任せいたします。そちらで自由に契約して下さい』 |
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ファラ |
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あの…… |
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ジム |
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なんだ、ギルバートさん、まだ居たのか。……悪いが、アンタも出て行ってくれないか……? |
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セルシウス |
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仲介人曰く『早くリルちゃんの後を追ってやって下さい』 |
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ファラ |
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大変ですね、こう言う店の御主人と言う職業は―― |
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ジム |
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ああ言う連中のお守りも含めて、好きで選んだ仕事さ……。有り難うよ、俺の気持ちを理解してくれて…… |
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セルシウス |
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仲介人曰く『私の心の裏側を的確に読み取ってくれた上で、適切に処置してくれて有り難う御座います』 |